2007年10月18日 (木)

絵本に関する本 その16

Img_2684_r 宮崎 清 著 (信濃毎日新聞社)

『赤ちゃん わくわく絵本箱』

0~2歳児の読み聞かせ70選

ブックスタートのボランティアを始めるにあたって、赤ちゃん向けの絵本の勉強もしなければ・・・と思い、この本を借りてみました。

絵本を選択するのは、地方自治体の仕事ですが、絵本選びの観点を養っておく必要はあります。

この本の中で『いないいないばあ』について書かれていました。

わたしが『いないいないばあ』と聞いてすぐに思い浮かべるのは、松谷みよ子さんの『いないいないばあ』(童心社)です。

これは、赤ちゃん絵本の古典ともいえる絵本で、昭和42年の初版からいまだに読み継がれているロングセラーです。

でもこれと同じような「いないいないばあ」の絵本は25冊もあるそうです。

子どもが大好きな遊びのひとつ「いないいないばあ」。遊びから絵本の世界に自然に入っていけるのだと思います。

そして、絵本がコミュニケーションツールのひとつであることを再認識しました。

つまり、絵本は絵本単体で完成するものではなく、読み手と聞き手の温かい交流あってこそのものだということです。

もちろん、「いないいないばあ」だけでなく、年齢(月齢)に応じた様々な絵本や読み聞かせの仕方が紹介されていますので、興味のある方は読んでみてください。

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2007年9月29日 (土)

絵本に関する本 その15

Img_2653_r渡辺茂男 著 『心に緑の種をまく』 (新潮社)

2006年11月に亡くなった渡辺茂男さんの本です。

渡辺さんは、「くまくんのえほん(どうすればいいのかな)」シリーズや、『しょうぼうじどうしゃ じぷた』『もりのへなそうる』など、たくさんの作品を手がけました。

また、『どろんこハリー』や『エルマーのぼうけん』などの翻訳でも知られています。

始めから児童文学者だったわけではなく、もともとは図書館学を学び、勤務の後、慶応大学で教授をされていました。

ご自身の3人の息子さんの子育ての中で、どんな絵本を読んだか、絵本からどんな生活体験をしたのかなどが、渡辺さんのやさしい視点で書かれています。

そして、たくさんの絵本や国内外の作家が紹介されています。

同じ英語圏であっても、文化の違いから国によって翻訳の解釈も違うことが紹介されていました。

少しも教訓じみたところがなく、素直に「絵本って楽しい!!」と思える1冊だと思います。

最後に渡辺さんの文を引用したいと思います。

すぐれた絵本には、人間が人間であるために、いちばん大事な情緒と想像力と知恵が、いちばん単純な、いちばんわかりやすい、いちばん使いやすい形でこめられています。絵と言葉の織なす物語が、子どもの心に直接はたらきかけます。

・・・・・・けれども、幼い子どもにお話をしてあげたり、絵本を読んであげたからといって、すぐに成果が目に見えるものではありません。幼いこころに種をまく仕事だからです。

おかあさん、どうぞ、幼い心がパソコンのキイボードでふさがれたり、コンクリートで固められたりする前に、自分の手で「緑の種」をまいてあげてください。もちろん、子どもが大好きなおとうさんもいっしょに。

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2007年8月18日 (土)

絵本に関する本 その14

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松居直 著 『絵本の現在 子どもの未来』 (日本エディタースクール出版部)

わたしが敬愛してやまない(ちょっと大げさかな??)、松居さんの本です。

今まで読んできた松居さんの本の中で、一番教育っぽいかな?と思う本です。でも、全然お説教じみていませんので、安心してください(笑)

ひとと言葉のかかわり、赤ちゃんと絵本のかかわり、小学校の生活科について・・・が主な内容です。

どの時期にも絵本はとても重要で、のちの育ちに大きな影響をもたらすということが書かれていました。

特に面白かったのは、「生活科への活用」です。

もちろん、絵本そのものを教材にするということではなくて、絵本を読むことで好奇心や探究心の芽生えを助長するという考えです。

文字を覚える以前に「不思議だな」「おもしろいな」「なぜかな?」という心の素地を養うのに、絵本は不可欠です。

例として柳生弦一郎さんの『おしっこの研究』の一部が引用されていました。

「おしっこの研究」というのは、まずおしっこをしらべて、そして、そのしらべたことをもとに考えて、その考えたことをもとにまたそらべて、また考えて、またしらべて、また考えて、しらべて考えてしらべて考えてしらべて考えて・・・・・・と、どんどんどんどんとさきまで、この本を読んでいるきみといっしょに、いってみようということなのです。

松居さんもいうように、これは生活科の方法論です。

「時間をかけて考え調べることが、子どもが生きがいを感じる生活をもつことになる」のです。

そして、これは幼稚園の遊びが発展する過程であり、自由保育の目指す姿であり、まさに子どもの生活そのものだと思います。

こういった経験なくして、知識ばかりを詰め込んでも、それはただのコンピューターかロボットではないかとわたしは思います。

「本は心の栄養」といいますが、まさに人間が育つ畑を肥やすものだと思います。

ある図書館の最多利用図書ベスト20のなかの16冊は「殺人事件」をテーマにした読み物だったそうです。ニュースやドラマでも「殺人」という言葉を聞かない日はほとんどないような気がします。

「いのちの大切さ」・・・言葉でいうのは簡単ですが、このことを真剣に考えて生活している人が、どれほどいるでしょうか。

いい絵本を選ぶこととその後の読書体験、そして人格形成に及ぼす影響について考えさせられる1冊です。

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2007年8月17日 (金)

絵本に関する本 その13

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中川李枝子 著 『絵本と私』  (福音館書店)

試験が終わった日に、ずっと我慢していた読書を再開しました。

そのときに読んだのがこの『絵本と私』です。

『ぐりとぐら』シリーズでおなじみの作家・中川李枝子さんの本です。

見開き2ページの左側に絵本の紹介(写真)、右側には、それにまつわるエッセーが書いてあります。

ご自身の幼少の頃の思い出や、保育士時代の園生活、子育ての思い出などが、ユーモアたっぷりに書かれていて面白いです。

中川さんって、きっと素敵なひとなんだろうなぁ~と思いながら読みました。

絵本そのものの紹介文ではないので、絵本を読まない人でも、とても楽しめると思います。

全部で101冊の本が紹介されています。

まだわたしが読んだことのない本もたくさんありました。

そして、何気ない日常の風景の中で、また、旅先の景色を見て、絵本に思いを巡らす余裕と教養を身につけたいものです。

わたしもいつかこんな風に絵本のエッセーを書けたら楽しいだろうなぁと、思いました。

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2007年5月17日 (木)

絵本に関する本 その12

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中川李枝子 著 山脇百合子 絵 

『本・子ども・絵本』 (大和書房)

「ぐりとぐら」を書いた作家による著書です。ちなみに山脇さんも「ぐりとぐら」シリーズの絵を描いています。お2人は姉妹です。

中川さんは、15年間保母をされていていました。

1年目から主任保母として、雑用はせずに、保育に専念していたとのこと。うらやましいです。その分、責任重大ですが・・・。その経験を通して生まれたのが『いやいやえん』ということでした。

園での子どもと絵本のかかわりや生活、ご自身の幼少時代、また、息子さんの絵本体験などについて書かれています。

特にご自身の読書体験について、多く述べられています。その読書量もさることながら、本を思う気持ちの強さには、本当に驚くばかりです。

これには、ご両親の教育理念に基づいてのことなのですが、本の扱い方や選び方への指導がとても厳しいのです。当然、ご両親も相当の本好きだったようです。

現代では、子ども(中高生も)が本を読まないことばかりが問題視されていますが、本そのものの付き合い方を知らずに育ってきたことが問題なのではないかと思います。本よりもテレビやインターネットの方がよりスピーディーに情報を得ることができますが、それでは想像の余地がありません。また、もの(本)を大切にする気持ちも希薄になると思います。

文中に「読み終えるのが惜しくてちびりちびり読みました」というところがあったのですが、その気持ち、すごくよくわかります。早く先が知りたいけど、終わってしまうのがなんだかさみしいような気持ちになることがわたしにもよくあります。

園生活では、子ども中心主義のように見えて、毅然とした先生の姿が垣間見え、本当に子どもに寄り添って過ごしていたことがうかがえました。

けんかの仲裁の場面で「けんか半分、はなくそ半分、あんぽんたんのつるし柿」というおまじないはよく効いた、と書いてありました。ただのごまかしや、大人の都合でけんかを終わらせるのではなくて、興奮しながらも仲直りのきっかけを期待する子どもの気持ちにうまく入っていけていたのだと思います。そして、子どもと真剣に向き合いながらも、ユーモアを忘れないことが大事だというなのことです。

そんな大らかさが保育者にも保護者にも必要なのだと思いました。そして、このことをもっと早く知っていれば、保護者の対応ももっとスムースだったかもしれないと、今更ながら悔しく思いました。本を読むことは、本当に大事ですね。

絵本(本)に関する本ですが、エッセイ的なのでとても面白く、楽しい内容です。

本を読みましょう・・・なんて教訓めいたことは書いていませんが、子どもの生活に本を取り入れたい!という気持ちが自然と沸いてきました。そして、肩肘張らずに、子どもと本の世界を共感することが大切なのだと思いました。

さすが、大ベストセラー作家、さすが「ぐりとぐら」の生みの親、だと感心せずにいられませんでした。

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2007年4月26日 (木)

絵本に関する本 その11

Img_1674_r松居 直 著 『絵本を読む』 (日本エディタースクール出版部)

この本も「絵」の見方を中心に書かれています。

特に昔話の絵本化における工夫と苦労についてが印象的でした。

昔話の絵本なんて、たくさんあるじゃないか・・・と思われがちですが、ずっと昔から語り継がれて生き続けている民話のイメージや空気をそのままに絵とことばに表現することは、非常に難しいそうです。

けばけばしい色彩で、アニメっぽいベタッとした絵の絵本を書店の入り口などで見かけたことはないでしょうか?

あれは、俗に「飴玉絵本」といわれる、あまり質のよくない絵本です。

飴玉なだけあって、そのときはおいしいかもしれないけれど、栄養にはなりません。

よい絵本は、血となり肉となり骨となってずっと体の中で生き続けます。

そんな絵本作りに、画家や作家や編集者は情熱を注いでいるのです。

こんな話もありました。

民話というのは、歩き始めたばかりの子どもの手が冷えきってしまったときなどに、おばあさんやおねえさんが、囲炉裏の前で手を温めてあげながら退屈しないようにお話を聞かせてあげることで、連綿と語り継がれてきたそうです。

東北地方の民話の語りべをしているある女性は、200くらいのおはなしを語れるそうです。文章を暗記しているのではなくて、次々と場面(画像)が頭に浮かんできて、それを見たままに話すといいます。

なんて、豊かで温かいんでしょう。

これは、話す・読む・書くという技術ではなく、聴く力の賜物ではないかと思います。

また改めて、「絵本は大人が子どもに読んであげるものだ」ということを強く感じました。

さて、絵の見方についてですが、同じストーリーで異なる作家(画家)のものを見比べたり、色彩や画面の構成を分析したりと、とても具体的で専門的なことが書かれていました。

今後の絵本選びや、紙芝居作りなどに、その視点を取り入れていきたいと思いました。

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絵本に関する本 その10

Img_1562_r_2 河合 隼雄  松居 直  柳田 邦夫  著

『絵本の力』 (岩波書店)

臨床心理学者、児童文学家、ノンフィクション作家という、それぞれ異なる立場の3人があるセミナーで講演・討論をした記録です。

肩書きは違うけれど、みんな絵本というものが好きで、その力をよく知っていることや、幼い頃の読み聞かせ体験(読書体験)の基盤があるという点は、共通していると思いました。

柳田さんは、長男を自殺によって失い、喪失感でいっぱいになっているとき、ふと手にした絵本に救われたといいます。

そのせいでしょうか、「いのち」をテーマにした絵本を多く紹介されていました。また、それだけにとどまらず、絵本の背景(作者の状況)や死と向き合う現場での絵本の取り上げられ方も紹介されていて、「楽しい」だけでない絵本の世界があることを思い知らされました。

また、自分が幼いときに読んでもらう、自分が子どもに読んであげる、そして老いてから読むという3段階の楽しみがあるといっていました。

わたしも、「絵本は子どものもの」という固定概念を捨てて、いろんな世代の人に絵本を読んで欲しいと思いました。

この本のテーマは、題名の通り「絵本の力」。もっといえば、「絵本の可能性」についてです。

そして、「生と死」という人間にとって欠かせない大きなテーマについても話が及んでいます。

普段は、そんなことをあまり意識していません。

でもそれは、急にやってくるものです。

「生と死」を考えるのではなく、感じられる心を養うことが大切なのではないかと思いました。

直接的に「死」をテーマにしたものをたくさん読むということではなく、「死」を理解する前段階として、十分に感性を培っておくことが重要なのです。

それは、テレビや詰め込み教育から育つものではありません。親の経験や体験をもとにした話にも限界があるし、伝え方も難しいと思います。

それでは、何をどうすればよいのか。

絵本の読み聞かせをするのです。こういうととても短絡的な感じですが、幼い頃から絵本を読んでもらう体験をして、心を柔軟にしておくことが必要なのではないかと思うのです。

それこそが、「絵本の力」なのだとわたしは思います。

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2007年4月25日 (水)

絵本に関する本 その9

Img_1668_r 『私が1ばん好きな絵本 改訂版 100人が選んだ絵本』(発行:マーブルトロン 発売:中央公論社)

この表紙、「懐かしい~!!」と思う方、多いのではないでしょうか?

皆さんよくご存知の『ぐりとぐら』の絵です。

この本は、100人の絵本好きによるランキングで構成されています。

ランキングだけでなく、ランキングに加わった著名人のエッセイや対談なども収録されているので、おもしろいです。

特にわたしが興味深かったのは、グラフィックデザイナーの祖父江慎さんのお話です。

「子どもの頃は、ゴシック体の文字が好きでした。」という1文から始まります。

グラフィックデザイナーというだけあって、子どもの頃から絵よりも字体に興味があったというのです。わたしは、そんな視点で絵本を見ていなかったので、驚きました。

『ぞうくんのさんぽ』という絵本は、作者の なかのひろたかさん に加え、レタリング なかのまさたかさん の名前が書いてあるので、「手書きのレタリングなんだな。」と漠然ととらえている程度でした。

でも、絵と文だけでなく、字体から受ける印象も、見る人によっては、結構大きなもののようです。

他にも絵本とは無縁に思えるような人が絵本好きだったり、いろんな立場の人が私見を書いているので、結構面白い本だと思います。

ところで、『ぐりとぐら』、どちらが「ぐり」でどちらが「ぐら」か、わかりますか?

文中では、一切説明されていませんが、絵本の表紙をよく見るとわかりますよ。

久しぶりに『ぐりとぐら』を読んでみては、いかがでしょうか?

残念ながら、この本の表紙からぐりとぐらを判別することはできません。

なぜ、『ぐりとぐら』が表紙なのかは、ランキング結果をご覧ください。

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2007年4月24日 (火)

絵本に関する本 その8

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奥田 継夫 著 『大人も読みたい子どもの絵本』 (大月書店)

著者は、児童文学作家で、小説以外にも、絵本や翻訳を手がけています。

これまでに読んできた松居さんとは、全く異なる視点で絵本を見ているなぁと思いました。

大人自身が読むことを前提にしているからなのですが、著者の好き嫌いがはっきり出ている感じです。

自分の生い立ちや生活と作品を照らし合わせて、絵本について書いています。

絵本論というよりは、読む「ブックトーク」。

紹介が面白くて、読んでみようかな?という気分にさせられます。

絵本は子供向けに書かれていますが、作り(作者の思い)がしっかりしているだけあって、その奥深さや哲学っぽさには、大人もついつい引き込まれます。

読書から離れている大人は、絵本から読み始めてみると新しい発見があるかもしれません。

絵本選びに迷ったら、この本を読まれてはいかがでしょうか?

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2007年4月11日 (水)

絵本に関する本その7

Img_1563_r_1松居 直 著 『絵本・ことばのよろこび』(日本キリスト教団出版局)

この本は、読者からの手紙や感想に対する思いや作者の生い立ちや生活、思想について、海外(アジア、ロシア)との出版を通した交流などが書かれていました。

著者の松居さんは、敬虔なキリスト教徒でもあるそうで、絵本に隠されたテーマと聖書のみことばを関連づけて述べられています。特にこの本は、「信徒の友」に連載していた内容のようなので、その傾向が強いです。

わたしが印象に残った言葉は「ことばを食べる」というものです。

ただ美しいだけもでなく、説教でもない、子どもにとっての「おいしいことば」が絵本には不可欠なのだそうです。

子どもは耳から入ったことばを自分の中で咀嚼し、血や骨にする。知識として身につけるということではありません。何度も何度も絵本を読み聞かせてもらうことで、言葉に対する感覚が養われるのです。

俵万智さんの例が出ていました。彼女は、2~3歳の頃、「3びきのやぎのがらがらどん」を1年くらい毎日読み聞かせてもらって、1言半句間違わずに言えたといいます。

頭で暗記したのではなく、全身全霊で感得したのです。絵本のよさもさることながら、毎日読んであげたお母さんとの時間はなにものにも代え難いよろこびだったと思います。まさに素晴らしい読書体験といえます。

絵本を買うということは、絵本を読む楽しい時間を手に入れるということだと思います。

そしてその時間がこころとからだを作るのです。

わたし自身が、「おいしいことば」がたっぷりの絵本とたくさん出会い、子どもたちにごちそうしてあげられるようにしたいと思いました。

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2007年4月 9日 (月)

絵本に関する本その6

Img_1561_r 美智子 著 『バーゼルより ~子どもと本を結ぶ人たちへ~』(すえもりブックス)

皇后陛下美智子さまがスイスのバーゼル市で行われた「IBBY(国際児童図書評議会)」の創立50周年を祝う大会の開会式で述べられたご挨拶をまとめた本です。

英語の原文と日本語訳、お写真などが収録されています。

美智子さまご自身の読書体験や、まど・みちおさんの詩を翻訳されたときのことなどが書かれていました。(当時のIBBY会長 島多代さんがまとめられています。)

わたしは「IBBY」のことをほとんど知らなかったのですが、この組織の取り組みに触れることができ、改めて「本と子どもを結ぶ」ことの大切さについて認識させられました。

Img_1564_r 松岡 享子 著 『お話について』(東京子ども図書館)

著者の松岡さんは、図書館学を学び、図書館に勤務。退職後「財団法人 東京子ども図書館」を設立されたそうです。

この本は、講演内容をまとめたものです。

図書館ということで、本を読むことの大切さについての内容かなぁと思いましたが、「耳から入ることば」を見直そうということが書かれていました。

「ことばを音声、特に肉声」で子どもに発信することが大事なのだそうです。

言われてみれば、読み書きの前には「聞く」という体験があります。

また、「人間の声はとても正直」で、目で見ただけよりも、音声にすることで、本来の「ことばの姿を洗い出す働きをする」とありました。

文字は記号です。子どもがはやく文字を読めるようになったからといって、ことばが豊かだとはいえないと思います。

さまざまな思考や心情を獲得していく上での土壌づくりが小さい子どもには絶対に必要です。

「絵本は大人が子どもに読んであげるもの」という松居直さんの考えに通ずるものがあり、読み聞かせの持つ可能性の大きさを再確認しました。

Img_1565_r 松居 直 著 『絵本をみる眼』(日本エディタースクール出版部)

福音館書店の創業に参画した絵本編集者の松居さんの本です。

出版社名からもわかるように、編集者向けに書かれた本のようです。

編集者としての文章と絵の見方、作家の思いなどが書かれていました。

「絵本」というとメルヘンの世界だとか、子ども向けのやさしい内容だとかを想像する方も多いと思いますが、決してそうではなくて、物語の世界を裏付けるリアリティーがとても重要だとありました。

絵が文を説明するわけでもなく、文が絵を説明するわけでもない。文と絵が同じでなく、「同質」だと、子どもは安心して物語の世界に入っていけるのだといいます。

絵と文をよく理解し組み合わせるのが編集者の仕事なのだそうです。

わたしにはとてもわからない奥深い世界です。

でも、子どもは感覚的にそれがわかるのだと思います。

絵本を作るのは到底無理なことですが、見る眼を養って、よい本を子どもに与える努力だけは惜しまないようにしたいものです。

絵本ひとつを作るのに、ここまで情熱が注がれているのか、と感服させられる1冊です。

   

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2007年4月 4日 (水)

絵本に関する本その5

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長山 篤子 著  『絵本からの贈りもの』(日本キリスト教団出版局)

この著者も元保育者です。現在は、大学で講師をされているそうです。

また、保育総論の教科書を出版(共著)されています。

人間形成の基盤となる幼児期にいかに絵本が大切であるかということがとてもよく伝わってきます。

それぞれの発達段階(内面)に合った絵本が1冊ずつ丁寧に紹介されています。また、巻末には絵本作家の紹介が掲載されているので、とても参考になりました。

これまで読んできた本は読み聞かせを通して「大人が与える」という視点でしたが、この本では「自分で選ぶ」ことに重点が置かれているような気がしました。

この本の中の子どもたち(園児であったり、ご自身の子どもやお孫さん)は、絵本の貸し出しなどを通して、自分で絵本を選択しているのですが、その好みや変遷を調査するととても興味深いと書いてありました。

知らずしらずのうちに「自我の芽生え」や生活にフィットする絵本を自分で探し出していたりするようです。もちろん、先生が読んでくれた本を好きになって何回も読むということもありますが・・・。

一人ひとりの子どもの内面的な発達を記録するのは、なかなか大変なものがありますが、絵本を通して心の移り変わりを知る手がかりをつかむことができるのだ・・・と、ヒントを得たような気がしました。

小さい頃に読んだ絵本の内容は忘れてしまっても、そのときに育った心は人格の核となり、また、肉となり骨となり、永遠にその人の一部として残り続けるのではないかと思いました。

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2007年3月27日 (火)

絵本に関する本その4

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徳永 満里 著  『絵本はともだち 子どもが楽しむ読み聞かせ~3歳、4歳、5歳~』(フォーラムA)

この本の著者は、長年保育士として子どもと関わり、現在は園長先生をしているそうです。

園長先生ということで、当然クラスを担当しているわけではありません。なので、各保育室をまわり、読み聞かせを行っているようです。

担任にとっては、自分以外の目で客観的に子どもの成長を見てもらえるので、素敵な保育活動ですね。

3,4,5歳児の発達の特徴(心理・言語)に合った絵本の紹介と、子どもの内面が絵本でどう育ってきたかをまとめてあります。

1冊ごとにあらすじや文中の引用、子どもの反応が書いてあるので、これから読み聞かせを始める人には絵本選びの参考になるのではないかと思います。

というのも、絵本の分析等、絵や文を深く掘り下げて研究しているという印象は受けませんでした。

でも、子どもの反応は、細かく書かれていますので、実態の把握には大いに活用できるでしょう。

教育実習を控えた学生が読むと、各年齢のクラスの雰囲気が伝わってくるのではないかと思いました。

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2007年3月26日 (月)

絵本に関する本その3

今日も時間があったので、本を1冊読みました。

お世話になった先生と同姓同名だったので、思わず手に取りましたが、全くの別人でした(^^;

Img_1463_r 吉村 真理子 著 『絵本の匂い 保育の味』(小学館)

保育園に勤務しながら、乳幼児の発達と保育について研究をしてきた方のようです。

この本も、絵本の紹介をしているのですが、「保育者」「子どもの内面」「大人の援助」「自己の確立」「生きる力」という切り口で、絵本を見つめています。絵本の中にそのヒントとなる登場人物やせりふ(言葉)を見出し、あらすじとともに紹介しています。

ひとつのテーマに対して、1冊ずつ書かれていますので、とても丁寧に哲学的に説明されています。

鋭い洞察力と深い読みが印象的でした。

また、子どもの心の発達に合った絵本を見つける手引書としても使える1冊ではないかと思います。逆に、絵本の中から、子どもの心理を理解する手がかりも見つけられそうです。

絵本の中には、子どもにとってではなく、大人にとって教訓とすべきテーマがいくつも隠されているのだなと思い知らされました。

本の題名に「保育」という言葉が入っているので、保育者向けという感じを受けますが、子育て中のお父さん、お母さんにも読んで欲しいと思いました。

もちろん、絵の読み取りについても書かれています。

とかく、大人は絵ではなく文で内容をとらえがちです。でも絵本の世界では、絵の中にこそ重要な伏線や登場人物、作者の思いがさりげなく描かれているので、注意深く見ることがとても大切であると改めて感じました。

そして、当然のことながら、読み聞かせをする際にも、子どもがじっくり絵を読めるように気をつけなければなりません。

わたしも今度、紹介された本を借りて、隅々までよぉ~く見てみようと思います。

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2007年3月25日 (日)

絵本に関する本その2

今日も本を1冊読みました。

Img_1456_r 中村 征子 著  『絵本はともだち』 (福音館書店)

幼稚園、保育園で先生をしていた著者による、絵本の紹介と園児の反応の記録です。

園で子どもたちと絵本のかかわりの中で生まれた言葉や反応が生き生きと書かれています。先生の周りに集まって、全身を耳にして先生の声を聞き、また、全身を目にして画面を読む子どもの姿が目に浮かぶようです。

絵本の名前だけでなく、子どもたちの言葉もありのままに記録されていたようです。その根気と優しさ、懐の深さが素晴らしい!!と思わずうなってしまいました。そして、こんな素敵な先生に出会えた子どもたちはさぞ幸せだろうなと思いました。

また、巻末にブックリストも出ているので、非常に参考になります。

読み聞かせに携わる人は、是非一度読んでみてはいかがでしょうか?

わたしなどは、幼稚園教諭をしているとき、絵本の読み聞かせを時間つぶしや落ち着かせるための「道具」として使っったことがありました。でも、本来はそうではなくて、絵本をもっと深く、身近で、楽しいものになるように時間をかけて読みあうことが必要だったと思います。

わたし自身、絵本が好きで、なるべくたくさんの作品を伝えたいと思っていました。ひとつの作品を何度も何度も繰り返し読む大切さも知っているつもりでしたが、ただ漫然と読んでいただけだったかも・・・と思います。

また、保育の中で絵本を活用するとき、子どもの興味を引くための導入として使っていました。それは、こちらが設定した目標を達成するために、子どもをレールに乗せていたようなものだったのではないかと思います。

絵本を教材という道具のひとつとしてとらえてしまっていたのです。

「教師は何でも教える癖がある」とよく言いますが、わたしも「教えることで学ぶ」という意識が強かったんですね。

なんだか、今更ながら後悔にも似た反省の思いが次々に沸き起こって、なんだか申し訳ないような気持ちになりました。

読み聞かせのボランティアを楽しく感じるのは、ただ純粋に自分の好きな絵本を読むことで、聞く人とその時間を共有できる喜びがあるからなのかもしれません。

題名の表すとおり、まさに「絵本はともだち」なのです。

読み方の技術を習得も大切ですが、絵本の理解と、子ども心理の理解も重要だと思い知らされました。

この本を紹介してくれた読み聞かせの先生には本当に感謝です。もっと早くこの本と出会いたかったと心から思いました。

これからかかわる子どもたちが絵本とともだちになるきっかけ作りのお手伝いができるように、わたしも勉強していきたいと思いました。

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2007年3月24日 (土)

絵本に関する本その1

「絵本の読み聞かせ」という活動をしてきてもうすぐ2年になります。

教職についていた頃も含めるともう10年です。

やってみると、面白い半面、なかなか奥が深くて、自分の勉強不足を思い知らされることもあります。

自分の力を高めるには、実践だけでなく理論も必要・・・というわけで、読み聞かせやブックトークに関する本を図書館で数冊借りてきました。

自分で興味を持った本、研修会や講習会で紹介された本などさまざまです。

読んだ本から少しずつ紹介していきたいと思います。

Img_1450_r 松居 直  著  『絵本のよろこび』(NHK出版)

福音館書店の編集者で「こどものとも」の創刊から携わっている著者による本です。

「絵本とは何か」や「絵本の世界」、「絵本づくりの思想」などをテーマに書かれています。

絵本を制作する際の画家や作家とのかかわりについても書かれていて、その熱意や芸術性の高さには目を見張るものがありました。

また、絵本を通しての親子のふれあいの場面では、「なんて温かなんだろう!」と思わず、涙ぐんでしまいました。そして、絵本を読んでもらうことは子どもにとって、とても幸せなことだと感じました。

また、「知ることは感じることの半分も重要ではない(レイチェル・カーソン『センス・オブ・ワンダー』より)」という言葉とともに、豊かな土壌(心)なくして知恵や知識の種は育たないことが書かれており、わたしの絵本観と同じだ!!と嬉しくなりました。(ちなみに、引用されているレイチェル・カーソンの言葉は、高校生だったわたしにも多大な影響を与えました。)

それだけに読み手は、「読み聞かせ」をする際の態度や姿勢に十分気をつけなければならないと思いました。

絵本を見る目を養うことの大切さや絵本のの原点がわかる1冊です。

この方の著書は、他にもたくさんあるので、是非読んでみたいと思います。

今日読んだもう1冊はこちら。

Img_1451_r 村中 李衣 著  『お年寄りと絵本を読みあう』(ぶどう社)

心理学、児童文学を学んだ著者が就職先である大学病院の小児病棟で絵本を読みあう活動を始め、そのかかわりをお年寄りにも広げていった体験からこの本を書かれたようです。

わたしも老人ホームでお年寄りに絵本を読むという活動をしています。

読み方以前に、「どんな本を選ぶか」ということがとても難しく、未だその答えを見つけられずにいます。

この本には、絵本を読んだときのお年寄りの反応やかかわりの中でのエピソードが書かれており、非常に参考になりました。

題名の「読みあう」ですが、「読み聞かせ」という言葉よりも対等で共感的な意味合いが含まれていると感じました。

わたしの仲間にも「読み聞かせという言葉が嫌いなの。」というメンバーがいます。わたしもなんとなく違和感をおぼえていましたが、「読み聞かせ」以外にピッタリくる言葉を知らないので、甘んじて使っていました。

もちろん、場面によって言葉だけでなく活動内容も異なるのでしょうが、気持ちだけは「読みあう」という思いを込めて活動できるようにしたいものです。

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