美智子 著 『バーゼルより ~子どもと本を結ぶ人たちへ~』(すえもりブックス)
皇后陛下美智子さまがスイスのバーゼル市で行われた「IBBY(国際児童図書評議会)」の創立50周年を祝う大会の開会式で述べられたご挨拶をまとめた本です。
英語の原文と日本語訳、お写真などが収録されています。
美智子さまご自身の読書体験や、まど・みちおさんの詩を翻訳されたときのことなどが書かれていました。(当時のIBBY会長 島多代さんがまとめられています。)
わたしは「IBBY」のことをほとんど知らなかったのですが、この組織の取り組みに触れることができ、改めて「本と子どもを結ぶ」ことの大切さについて認識させられました。
松岡 享子 著 『お話について』(東京子ども図書館)
著者の松岡さんは、図書館学を学び、図書館に勤務。退職後「財団法人 東京子ども図書館」を設立されたそうです。
この本は、講演内容をまとめたものです。
図書館ということで、本を読むことの大切さについての内容かなぁと思いましたが、「耳から入ることば」を見直そうということが書かれていました。
「ことばを音声、特に肉声」で子どもに発信することが大事なのだそうです。
言われてみれば、読み書きの前には「聞く」という体験があります。
また、「人間の声はとても正直」で、目で見ただけよりも、音声にすることで、本来の「ことばの姿を洗い出す働きをする」とありました。
文字は記号です。子どもがはやく文字を読めるようになったからといって、ことばが豊かだとはいえないと思います。
さまざまな思考や心情を獲得していく上での土壌づくりが小さい子どもには絶対に必要です。
「絵本は大人が子どもに読んであげるもの」という松居直さんの考えに通ずるものがあり、読み聞かせの持つ可能性の大きさを再確認しました。
松居 直 著 『絵本をみる眼』(日本エディタースクール出版部)
福音館書店の創業に参画した絵本編集者の松居さんの本です。
出版社名からもわかるように、編集者向けに書かれた本のようです。
編集者としての文章と絵の見方、作家の思いなどが書かれていました。
「絵本」というとメルヘンの世界だとか、子ども向けのやさしい内容だとかを想像する方も多いと思いますが、決してそうではなくて、物語の世界を裏付けるリアリティーがとても重要だとありました。
絵が文を説明するわけでもなく、文が絵を説明するわけでもない。文と絵が同じでなく、「同質」だと、子どもは安心して物語の世界に入っていけるのだといいます。
絵と文をよく理解し組み合わせるのが編集者の仕事なのだそうです。
わたしにはとてもわからない奥深い世界です。
でも、子どもは感覚的にそれがわかるのだと思います。
絵本を作るのは到底無理なことですが、見る眼を養って、よい本を子どもに与える努力だけは惜しまないようにしたいものです。
絵本ひとつを作るのに、ここまで情熱が注がれているのか、と感服させられる1冊です。
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